兵庫県の楠田純一先生 @junkusuda からヒガンバナの種が届きました.
球根ではなく,「種」です.
届いたのは3個の種で,1個ずつ採取地域名称が記された透明ビニル袋に入っていました.
採取地域と併せて,茎が採取された日付と,それを楠田先生がご自宅で成熟され,種として取り出された日付が記されていました.
ヒガンバナの種って何なのか? どういう経緯だったのか?
ヒガンバナのほとんどは,花は散った後に種を実らせることなく枯れてしまうのですが,ごく稀に実が成ることがあります.
楠田先生はお住まいの地域のあちらこちらのヒガンバナを丁寧に継続観察されており,大量の株の中から毎年,結実しつつある個体を採取され,ご自宅で完熟させ,発芽に挑戦されています.
すべての種が発芽するわけではないので,これは長い期間を要する試みなのです.楠田先生は理科関連の個人ホームページ 「楠田純一の理科の部屋」 を公開されていますが,このページが公開されたときのコンテンツの一つが彼岸花情報だったことからも,この長い取り組みがわかります.
私がヒガンバナに興味を持ったのは2010年のことで,それ以降,一度は実を見てみたいと思って,ヒガンバナの季節が過ぎた後はあちらこちらの枯れた花を調べ続けているのですが,今まで1個も種を見つけることができませんでした.
そんな中,楠田先生から,種を私の園芸環境下で育ててみませんか,という連絡を頂いたのです.
もちろん断る理由はありません.
こうして私はこの人生で初めてヒガンバナの種を見ることができたのです!
この経緯は楠田先生のブログにも書かれています.
rikadiary.cocolog-nifty.com
腐葉土に埋めてみることにした
どんな条件だと発芽するのかは,やってみなければわかりません.
普段から使い慣れている腐葉土をプランターに入れて,ここで種が発芽する日を待つことにしました.
プランターには最初に園芸用の砂利を敷き詰め,その上に腐葉土を乗せ,水を染み込ませ,また腐葉土を乗せ,という準備をしました.
プランターには左から順に「夢前」,「安富」,「福崎」の種を埋めて行きました.
プランター下部のは水抜き用の穴が開いているので,プランターを移動した場合でも,左右がわからなくなることはありません.
約1 cmの腐葉土が種にのっかりました.
肥料は与えず,土の表面が乾いたら水をまく,という調子で観察を続けていくことにします.