「桃園川の記憶」展に行ってきました.
「桃園川」は杉並区と中野区を流れる川で,現在は全区間が暗渠(あんきょ)になっています.
暗渠というのはフタをされて地中に埋められた河川のことです.
暗渠に興味を持つ
暗渠や水路跡や用水路に興味を持っている人は少なからずいて,私もその一人なわけですが,興味の対象としては地味なほうということもあって,各自がそれぞれ地図を眺めて水の通り道について考えたり,図書館で都市計画に関係する資料を漁ったり,現地に出かけてみたり,という状態でした.
この状況はここ数年で変わってきました.「暗渠」というのが一つの趣味のジャンルとして確立されてきたからです.たとえば暗渠の書籍なんていうのが一般書店に並ぶようになりました.
東京ぶらり暗渠(あんきょ)探検 消えた川をたどる! (洋泉社MOOK)
- 作者: 黒沢永紀,世田谷の川探検隊
- 出版社/メーカー: 洋泉社
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ブログやSNSのネットワークが広がって,同じものごとに興味を持ってる人々どうしがつながってきたことも関係しています.
「桃園川の記憶」展
桃園川も暗渠ファンの間ではよく知られた川で,いまは遊歩道となっている水路の写真は暗渠系ブログや暗渠系SNSによく流れてきます.
この桃園川についての新旧写真や地図,説明パネルなどを展示したイベントが,今回開催の「桃園川の記憶」展です.
場所は古民家を改築したカフェ
開催場所は古民家を改築したカフェ「モモガルテン」です.
店の裏には暗渠化された桃園川が流れています.
今は遊歩道となっていますが,欄干や柵が残されています.
スパイシーカレーとアイスコーヒーを注文しました.
「桃園川の記憶」展
今回のイベントの主催者は暗渠系ブログ 「暗渠さんぽ」 管理人の @nama_kaeru さんです.
本日、モモガルテンさんの夏休みが明けますので、暗渠の展示「桃園川の記憶」も再開です!中野の桃園川ネタばかり集めました。暗渠Tシャツ、暗渠絵葉書7種、暗渠本2種販売中、金曜夜は暗渠めしと暗渠ドリンク提供中!今月末までですよー。 pic.twitter.com/C6FLpIZtTv
— nama (@nama_kaeru) 2015, 8月 19
これまでに「暗渠さんぽ」に分割して紹介されてきた情報をまとめたものが今回のイベントになっていました.
水路敷Tシャツ が販売されていたのですがLサイズが売り切れでした.残念.
暗渠のおもしろいところ
もともと田んぼや畑に水を届けるための用水路は,宅地化が進むと廃水路に転用され,フタをされて暗渠となり,歩道になったり遊歩道公園になったり,という歴史をたどってきました.普段水の流れを見ていないだけで,実際には街中に毛細血管のように水の通り道が張り巡らされているわけです.
そういうのをイメージしてみるととても面白いし,それぞれの暗渠にそれぞれの歴史があって,そこに暗渠がある理由が存在するわけです.気になった暗渠の歴史を調べてみるのも楽しいものです.
今回のイベントは一つの川に焦点を当てて,実際にその川の脇にあるカフェで行われるという興味深いものでした.