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興味をもってきたものごとアレコレの記録

「国鉄電車ナイト~国鉄の名車たちを鉄道写真と共に熱く楽しく語る夜!」で,小学生の頃からファンだった写真家の広田尚敬さんに初めて会ったよ!

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「国鉄電車ナイト~国鉄の名車たちを鉄道写真と共に熱く楽しく語る夜!」に行ってきました.

会場は渋谷の東京カルチャーカルチャーでした.

鉄道に興味があったのは小学校3年頃から大学入学頃まででした.日本国有鉄道(国鉄)が民営化されてJRになった頃まで.

この間,鉄道のシステムそのものにも興味があったし,鉄道模型とか,切符コレクションとか,鉄道写真とかにも興味がありました.

私の趣味の一つに写真があるのですが,それは鉄道写真から始まっています.

鉄道そのものに関心がなくなった後は,趣味の写真の被写体として鉄道関係のアレコレをファインダー越しに見ていた時期があった程度で,少なくとも最近10年以上は鉄道関係のものごとに興味をほとんど抱かない毎日を送っていました.

そんなところに,このイベントの広告がやって来ました.何かのページの隅っこに組み込まれたWeb広告だったはずです.

「ああ,国鉄かーあれは30年以上まえのー」と思った直後に目に飛び込んできたのは,「【 出演 】広田尚敬 (鉄道写真家)」の文字列でした.

広田尚敬さん! 会いたいっ!
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広田尚敬さん は私が小学生の頃から好きな写真家です.写真集も何冊か持っていて,毎日眺めていました.引っ越しとか,帰省先の建て替えとかの際に手放してしまったものもありますが,広田さんの本は今も手元に何冊か残っています.

当時の広田さんはキヤノンの一眼レフを使用されていたので,私も高校の入学祝いにキヤノンの一眼レフを買ってもらったり,広田さん ご愛用の85ミリ単焦点レンズを私も選んでみたりという調子でした.

今回のイベント情報を読んでみると,『鉄道写真の神様・広田尚敬が、1985年から国鉄最後の日・1987年3月31日まで、2年かけて撮影した国鉄電車の形式写真を大公開!』『鮮明なカラー写真と共に熱く語り尽くします!』と書かれていて,もうこれは行くしか!

さっそくチケットを手配したのでした.
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最後の国鉄電車ガイドブック

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入口の物販コーナーで『最後の国鉄電車ガイドブック』を購入.今月(2017年8月)発行です.

最後の国鉄電車ガイドブック: 今、振り返る 国鉄時代ラストを飾る360形式

最後の国鉄電車ガイドブック: 今、振り返る 国鉄時代ラストを飾る360形式

当日の模様

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会場は丸テーブルと椅子が並んだ自由席でした.せっかくなので前のほうの席に座りました.写真撮影OK,SNS実況中継用にハッシュタグ #国鉄電車ナイト が用意されていました.『今夜,もっとも地味なタグです!』っていう案内あり.

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開演時刻となり,演者が登場しました.左から3番目が広田尚敬さんです.82才,まだまだ現役で活躍中!

イベントは,『最後の国鉄電車ガイドブック』掲載の写真を1枚ずつスクリーン投影しながら,4名の演者がコメントして行く,という形式で進められました.

私にとって意外だったのは,広田さんが鉄道車両の設計とか運用とかについても詳しく(恐らく)正確にコメントされていたことでした.私が子供の頃に読んだ鉄道雑誌に国鉄勤務エンジニアが寄稿していた技術解説に書かれていた内容に,さらに関連トピックを交えて裏話的に説明してくださいました.

たとえば通勤電車の運転台が1970年頃から高くなっているのですが,コレは踏切でダンプカーと衝突した際に運転士を死亡事故から守るため,という説明が一般的です(私の理解では).しかし,広田さんの説明では,国鉄外部(車両メーカー?)から当時の国鉄に,車掌がドア閉め確認をする際に,高い位置からのほうが確認しやすいだろう,というアドバイスがあって,車掌側の床面を上げることが先に決まり,それに伴って運転席側も高くなった,とのことでした.なお,車掌側からのドア閉め確認は,高い位置からだと実際には見えにくいらしく,元の高さに戻ったそうです(ココ私の記憶が間違ってるかもしれない).


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広田さんが撮影に使用された機材の紹介もありました.スクリーン投影されているカメラ2台は『最後の国鉄電車ガイドブック』に収められている写真の撮影時に使用されたもので,広田さん製作のものです.

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私が小学生の頃,広田さんは「自作カメラ」で撮影された作品を発表されていましたが,具体的に「自作」がどこまでのものなのか,私にはよくわかりませんでした.「こんな感じのこんなカメラが欲しい」というリクエストを外注していただけかもしれないし,既存の部品を組み合わせて微調整していただけかもしれないし,いくら何でもカメラマンとして全国を巡りながら自ら精密機器製作をするっていうのはムリそうだし.

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って思っていたのですが,今回のトークによれば,夜中に自宅で機材加工されていたとのことです.これには驚きました!

このカメラで撮影されたポジフィルムが会場を回覧となりました.
70ミリという規格の,元々は映画用のフィルムで,厚みがあって歪みにくいために,この規格のものになったとのことでした.

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回覧されてきたフィルム.30年以上前の撮影とは思えないほどの鮮やかさでした.このカットは『最後の国鉄電車ガイドブック』表紙に選ばれたものです.

映画上映

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イベント後半で,国鉄が制作し,著作権切れに伴い現在はYouTubeでも公開されている記録映画『高速度試験』の一部が上映されました.国鉄特急「こだま」に使用されていた車両を使っての速度世界記録挑戦の記録です.


サイン会

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イベント終了後に,『最後の国鉄電車ガイドブック』著者のみなさまによるサイン会がありました.写真右端が広田さんのサインです.

広田さんは私の父と同じ1935年11月のお生まれです(私の父は1998年に亡くなりました).いつまでもお元気で,そしてすばらしい作品を創り続けてください.

っていうことを,サインしていただきながら申しあげました.

当日の模様

togetter.com

次のイベントに期待☆

『最後の国鉄電車ガイドブック』の売れ行きによっては,当時の写真を編集した第2弾,第3弾の書籍が刊行される可能性があるそうです.そうするとまた今回のようなイベントが開催されるかもしれません.刊行されなくても開催されるかもしれないけど.