本棚のモヨコ @hondana_moyoko の最後のライブを観てきました.
このライブを持って彼らの「活動休止」期間が始まります.
これまでにたくさんのステキな曲を聴かせてくれた彼らに感謝しています.
ありがとう☆
アンコールが終わった後,4人がステージに並びました.
左のベースのアキトくん @nagashimaakito は,2017年加入のいちばん新しいメンバー.演奏中もときどき他メンバーのほうを向いてアイコンタクトを送ったり,楽しそうに口ずさみながら滑らかにベースを弾いていて,バンドを束ねている姿が印象的でした.
その隣のドラムの みおちゃん @dorororororor は,毎回とても楽しそうにドラムを叩いている姿がステキでした.Tシャツとかステッカーとか各種グッズの企画も担当していました.
その隣,リーダーでボーカルの森くん @syuhei514 は,歌詞集のセルフインタビュー記事とか,彼自身が書いているブログとかを読むと,ホントにぐだぐだな人物なんだけど,そんな彼にメンバーが付いてきていたわけで,彼だけが持っている何かがあるんだろうって思っています.私は彼の世界観が好きです.
右端,ギターの今野くん @peromachi が,バンド初期の作品で聞ける深めのエコーをかけた単音中心の演奏フレーズからは,流れ星をイメージします.最近の作品では大きく歪ませたサウンドが増えていて,ステージ上では演奏に専念している彼が,音だけで思いを表現しているのかもしれないって受け止めています(前のほうで聴いているとアタマがガンガンする).
●出会い
本棚のモヨコを知ったのは,6年前,FM放送から流れてきた『夢子とアンダーグラウンド』を耳にしたときでした.
ひねくれた歌詞,男女掛け合いのボーカル,要所要所で輝く流れ星のように登場するギター,いつまでも脳内に残るメロディー,そういった要素が一曲に詰まっていて,このバンドに関心を持ったのでした.
さっそくCDを取り寄せてみたり,Youtubeをチェックしてみたり,Twitter @hondana_moyoko をフォローしてみたり,オンライン記事を読んでみたり,そして下北沢でおこなわれるライブのチケットを予約したり.
2nd ミニアルバム『安心のテーマ』発売直後だったと記憶しています.
FMラジオから流れてきた「本棚のモヨコ」っていうバンドの「夢子とアンダーグラウンド」っていう曲が脳内BGM無限リピートしていて,気に入ったのでアルバム買ってTwitter @hondana_moyoko もフォローした. http://t.co/lRaQFnLiVA
— 野島 高彦【化学】 (@TakahikoNojima) November 23, 2013
●森くんの作る曲の歌詞の世界
本棚のモヨコの曲はリーダーでボーカルの森くんが作っていて,そこには彼の世界観が広がっています.彼の書く詞からはイメージがふくらみます.
たとえば『夏風邪』(1st ミニアルバム『夢の続きをもう一度』収録) の,
深夜の虹が綺麗で
とか
四方に散った夜の門出
って,いったい何を歌っているんだろう?
夕方5時のチャイムで僕らの秘密は消えるから
って,どんな秘密なんだろう?
これから起こること全部 僕らのものになるんだぜ
って,なんかわくわくする!
『珈琲音楽恋愛論』(2nd ミニアルバム『安心のテーマ』収録)の,
告白するよ I LOVE YOU
困りますよね そりゃそうだ
君は僕を知らないし
私も君のこと よくわからない
って,めちゃくちゃだなーって思って聴いていると しばらくして,
この宇宙を綺麗に染めるには力が必要なんだ
と来て,それに続いて
あなたが私を混ぜてくれるなら
世界を救うのも容易いもんだよ
ってなって,一杯のコーヒーが宇宙とか世界とかのスケールに広がって行くし.
こういう世界をライブ会場でも体験してみたいと思って,初めて彼らのライブを観に行ったのが2014年2月のことでした.
●2014年2月21日,下北沢GARDEN
初めて観た本棚のモヨコのライブは,「本棚のモヨコ TOUR2014 とっても! 安心ツアー」初日の2014年2月21日,下北沢 GARDENでおこなわれたものでした.
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ボーカルの森くんはテンション高めで,観客と積極的にコミュニケーションをとろうとしていました.一方で他のメンバーは自分の演奏に集中していて,とくにメンバー間でコミュニケーションを取ろうとしている様子は伺えませんでした.それがちょっと不思議な感じでした.
このライブに行く前,Twitter相互フォローで国内音楽事情に詳しい人から,「本棚のモヨコではドラムに注目!」って教わっていたので,みおちゃんのドラミングもしっかりチェックしました.たしかにこのドラムに乗っかってバンドが駆け抜けている! 曲が盛り上がって来ると笑顔になって,曲の世界に引きずり込まれていくように見えるのが印象的でした.
またライブに行こうと思い,2ヶ月後に再び下北沢で彼らのライブをみました.
●2014年4月6日,下北沢 BASEMENT BAR
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2回目に観たライブは,2014年4月6日,下北沢 BASEMENT BARでおこなわれたものでした.
いきなり機材トラブルが発生してギターから音が出なくなり,他バンドからギターを借りてスタートするっていうトラブルがありました.
●2015年1月24日,下北沢 SHELTER
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その次に観た彼らのライブは,「本棚のモヨコ TOUR2015 とっても! TOMORROW NEVER KNOWS ツアー」中の2015年1月24日,下北沢 SHELTERでおこなわれた,東京で最初の単独ライブでした.
前年の11月には初の(そして結果として唯一の)フルアルバム『TOMORROW NEVER KNOWS』をリリースしており,バンドとして急成長しつつあった時期だったかもしれません.
2014年当時ちょっとだけ流れていたCM。この声はバイト中1人でトイレの中で録った…。 pic.twitter.com/Xl6rgeiZpa
— 森くん (@syuhei514) November 15, 2019
●それから5年近く
それから5年近く,新しいCDとか歌詞集とかは発売と同時に取り寄せていたものの,私はライブ会場に足を運ぶ機会を逸し続けていました.
その間に彼らは活動拠点を札幌から東京に移したり,キーボード担当が脱退したり,ベースが交代したり,イロイロ変化があったのですが,新しい体制の本棚のモヨコをライブで観る機会を逸したまま今年になりました.
●よくそんな調子で続いたもんだ!っていう内情
今年2019年4月に発売された『FUN TIMES 本棚のモヨコ歌詞集』の巻末にセルフインタビュー記事があって,バンド結成からのさまざまな出来事が記されています.何度も解散の危機を乗り越えてきたバンドのストーリーになっているのですが,その状況は正直なところ
よくそんな調子で続いたもんだ!
っていうところです.
たとえば,2014年11月リリースのフルアルバム『TOMORROW NEVER KNOWS』制作時,
そこでどんどん仲悪くなってっていつも喧嘩したり誰か泣いたりしてて、なんとかアルバム作った。(p138)
っていうのは,よくある話として,翌年2015年に上京するって発表した直後にキーボード担当が脱退して,しかし,
上京したふりしてしばらくライブしてた。(p139)
とか綱渡りだし,脱退を発表したら
お客さんもどんどん減ってった。(p139)
っていう状況で次に初代ベース担当が脱退って続いて,かなりピンチな状況なのに,なんとこの時期にリーダーの森くんが,
病んでスタジオ行けなかった。ライブだけ行ってた。(p140)
とか言ってるし.
なんとかサポートにベースのアキトくんが加わって,スタジオに集まっても,
みんな喋らない! と思った。(p141)
が第一印象だったっていうし,しかもそれに対してのリーダーのコメントが
そもそも仲良しで集まってないから。(p141)
だし.
その時点でも
俺はまたその頃病んでて。バンド辞めようと思ってたから。(p141)
とか
俺はもう才能ないんだ30になるしもう辞めようと思ってた。(p141)
とか言ってるし.
このあたりのものごとは 森くんのブログ にも書いてあるし,ドラムのみおちゃんの妹さんが今月になってから公開したnote 「私から見た本棚のモヨコの9年」 にも書いてあります.
実際は、超仲悪かった。
仲悪いくせに、一応…って感じで毎年メンバーの誕生日はみんなで誕生日会をするのが決まっていた。
仲が悪いってどういうことかって、メンバー間の会話がゼロなの。ほんとに誰も喋らない。誕生日会するって集まって誰も喋らないの。
札幌から東京に活動拠点を移してからも,
やる気あったらそんな感じになる?ってくらい変化もなくただ堕ちていった。メジャーデビューを目標にしてないバンドでももっと本気でやってるわ!ってくらい。
みおちゃんはいつもバカみたいに酒を飲んでいて練習に行かないし、森くんは精神を病んで?誰とも連絡がつかなくなった。
止まっていることにみんな気付いてるのに誰もそれについて何も言わない。ただ毎週練習してたまにガラガラのライブハウスでライブしてた。
なんでこんな調子なのに現在まで持ちこたえてきたのかっていうのは,森くん自身が語っている次の言葉が答えになっているのかもしれません(p150).
本棚のモヨコは決して仲の良いバンドではなかった。
だけど、辞めたメンバーも含め、みんな本棚のモヨコの曲が好きだったと思う。
「私から見た本棚のモヨコの9年」 には次のようにあります.
みんなの人生を1人で背負って、森くんの夢に乗っかってここまできたことをみんな自覚している、森くんが夢から醒めたら朝が来る。
だって全部森くんの夢だったんだもん。
森くんの夢は醒めたのだろうか?
●2019年11月17日,調布Cross
今年の夏に,本棚のモヨコが12月で「活動休止」するっていう発表がありました.
気が付くと今のメンバーになってからの彼らのステージを観たことがないし,最後に本棚のモヨコを観てから4年以上過ぎていました.
「活動休止」前に一度観ておこうと思ったら,うちから比較的近所の調布に来るっていうことになったので,11月17日,調布Crossでおこなわれたライブを観てきました.
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ギターの今野くんがヒゲを生やしていたのは別として,森くんも みおちゃんも4年前と変わっていなくて,やっぱりステージ上ではこの3人はそれぞれ独立して演奏したり歌ったり,っていう調子でした.
そんな中,私は初めて見るベースのアキトくんが他メンバーのほうに体を向けて演奏したり,積極的にアイコンタクトを送ったり,ところどころマイクの外で口ずさんだりと,バンドを束ねている姿が印象的でした.
このときは5バンド出演で,本棚のモヨコは6曲を演奏しました.
これを見たらラストライブも観に行きたくなったので,12月19日のライブも予約しました.
●2019年12月19日,下北沢 BASEMENT BAR
2019年12月19日,下北沢Basement Bar で最後のライブを観ました.
観客は100人を超えていたんじゃないかと思います.
+アンコール
1.大人ワールドイズマイン
2.夢見る子さんみんなありがと。 pic.twitter.com/JYtvbEqCaV
— 森くん (@syuhei514) December 19, 2019
演奏が一曲終わるたびに森くんが「ありがとう」って言っていたのが印象的でした.
(アンコール前の)最後の曲『宇宙の縮図』には,「ばいばい!」って叫ぶ場所があります.活動休止予告が出て以降,この曲を聴くたびに,最後のステージで,もしかしたら最後の曲として歌われるかもしれないって思っていました.
アンコール1曲目『大人ワールドイズマイン』は1stミニアルバム『夢の続きをもう一度』からの曲で,私はこれが本棚のモヨコの世界をもっともよく表している曲だと思うし,もっとも共感する曲でもあります.
大人になってもロマンチックに生きたいだけなのに
アンコール最後の曲『夢見る子さん』は,彼らが札幌で初めてバンド形態でライブをおこなったときの1曲目だったそうです.
●最後までカッコ悪かった!
本棚のモヨコは決してカッコいいバンドではありませんでした.
森くんの書く歌詞はひねくれていたり,だらしなかったり,不運だったり,情けなかったり,子供っぽかったり,そういうものごとがテーマになっています.
ライブではMCの途中で何を話すのか忘れちゃって,他メンバーに話を振るものの,急に話を振られたメンバーが対応できずに困っちゃう,なんていうことがありました.
ステージに上がったらギターから音が出ない,なんていうこともありました.
低迷期にはリーダーがスタジオに来ないとか,バンドを辞めようと思っていたとか,音楽から逃げようとしていたとか,奇跡的に解散しなかったものの,どう見てもカッコ悪い.
今回のライブの数日前,新曲『これからのてんかい』をAppleMusicで配信開始したものの,何かミスがあってバンド名が「本棚のモヨコ本棚のモヨコ」になっちゃっていたし,1回聴いてまた聴こうとしたら何かのトラブルで配信停止になってるし.
💫配信再開💫
本棚のモヨコ 配信Single
『これからのてんかい』本棚のモヨコ
今野裕太郎(Gt. Cho.)
長島アキト(Ba.)
星野未緒(Dr.)
森脩平(Vo. Gt.)
Guest
西原宗詩郎(Cho.)
ゆちよ(Piano)
ロマンチック☆安田(Key.)Apple Musichttps://t.co/Djqi3GkHX0
— モヨコくん (@hondana_moyoko) December 20, 2019
Spotifyhttps://t.co/OLnUSQlN06 pic.twitter.com/THBRf64XO1
ラストライブのMCで,いちばん新しい曲が配信停止中です,なんていう案内をしなければならない状況,キマらないし.
しかも,配信停止までの間に数人しかアクセスがなかったとか言ってるし(私はその中の1人だったのかなー)
ライブ2日前になってサプライズ企画としてYoutube配信やるぞ!って告知したものの,ライブ当日になって何かミスが発覚したらしくURL変更になるし,
すみません!!URL変更になりました!!!
— モヨコくん (@hondana_moyoko) December 19, 2019
登録して頂いた方は再度お願いいたします!!!🙇♀️https://t.co/M9ZxcbClbf
ライブ前日にはレンタカーをぶつけて壊したらしく,ラストライブの物販からの収益金が出ても修理代に回さなければならない,なんて言ってるし.
彼らの前に演奏していた 爆弾ジョニー からも,レンタカーの修理代を出すためにも物販を買ってやってくれ! みたいにお願いされているし.
物販は過去のグッズもゴッソリ持ってきていたみたいだけど,Tシャツを買っておこうかなと思ったら在庫がXSサイズとかばかりだし.LとかMとかから売り切れて行くのはわかるし,XSなんて需要が無いから余っているんだろうけど,それ以前にロックバンドの物販用TシャツになんでXSサイズなんか作ったんだろ?
そんな調子で最後の最後までカッコ悪いところを見せてくれた本棚のモヨコでしたが,そんなカッコ悪いところも含めて私は彼らや彼らの音楽が好きでした.
これまでどうもありがとう.
なんて思っていたら,何か気になる案内が.
本棚のモヨコはまだ活動中。
— 森くん (@syuhei514) December 21, 2019
何か最後の最後に企画があるのかもしれません.ライブを見てくれてありがとうございました。ライブは終わりましたが、いくつかまだお知らせできることがあるので終わった感出さないでおいてください。 pic.twitter.com/VsOe6BwADA
— こんの 本棚のモヨコ (@peromachi) December 19, 2019
ぜひ今度こそはカッコ悪い失敗をしないようお願いします☆
Youtube
物販
最後の物販では在庫処分のタオルを買いました.たぶん5年くらい前の会場でも販売していたタオルを購入.
開演前にドラムのみおちゃんが物販を担当していました.
5年前に買った「ななめ掛けトートバッグ」を見せたら「あー! なつかしー!」とのことでした.
便利なので今も使ってます.
「ソレ,なんですか?」ってきかれることも多く,そのたびに「本棚のモヨコっていうバンドがあって,」から説明していて,「Youtubeにもチャンネルがあるからぜひ!」って紹介していたのですが,今後はそういう説明をする機会もなくなります.
今回の会場限定でロングTシャツが販売されていて,しかしロングTシャツはあんまり着ないからパスしようと思っていたんだけど,レンタカーの修理にお金がかかるんだー! とか言っていたので,1枚買って帰ることにしました.Lサイズが売り切れになった直後で,1枚だけ残っていたMサイズを購入.
🔥New Goods 2🔥
・NEXT DOORS ロングTシャツ
color : white
size : M / L / XL¥3,500
数量限定
2019.12.19 ライブ会場にて販売! pic.twitter.com/tDiNvUN6MW
— モヨコくん (@hondana_moyoko) December 17, 2019
●動画が公開された(2019-12-31)
●これまでにみた本棚のモヨコのライブ
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